中堅介護職が伸び悩むのはなぜ?|成長が止まって見える理由を考える

「中堅介護職が伸び悩む理由を考える、ノートを手に成長について振り返る介護職員の水彩イラスト」 介護の仕事

「最近、伸びていないように見える」と感じたとき

新人の頃は、

できなかったことが
できるようになる。

知らなかったことを
覚えていく。

そんな変化が、

とても分かりやすく
目に見えます。

けれど、

一通りの仕事を
任せられるようになると、

変化の表れ方は
少しずつ変わっていきます。

周りを見ること。

後輩に声をかけること。

利用者さんの小さな変化に
気づくこと。

その場に応じて
声のかけ方を変えること。

チームの中で
自分の役割を考えること。

こうした力は、

資格のように
形として残るわけでもなく、

数字で比べられるものでも
ありません。

だから、

以前のように、

「できることが増えた」

という分かりやすい形では、

変化を感じにくくなることがあります。

その結果、

「最近、あまり変わっていない」

と見えてしまうことも
あるのかもしれません。

中堅職員を見るとき、

何ができるようになったかだけではなく、

どんなことに気づくようになったのか。
どんな関わりができるようになったのか。

見る側の物差しを少し変えることで、

その人の見え方も
変わってくるのだと思います。

「できて当たり前」の中で、成長は見えにくくなる

何事もなく
一日が終わる。

大きな事故もない。

必要なケアもできている。

それだけを見ると、

特別なことは
何もなかったように
見えるかもしれません。

でも、

その一日の中では、

利用者さんの小さな変化に気づいたり、

転倒につながりそうな場面を
先回りして防いだり、

声をかけるタイミングを考えたり、

周りの職員と
自然に連携したり。

たくさんの判断や工夫が
積み重なっています。

それでも、

何も起きなければ、

そうしたことは、

「できて当たり前」

として流れていくことがあります。

一方で、

事故が起きたとき。

ヒヤリとしたことがあったとき。

うまくいかなかったことには、

振り返る機会があります。

もちろん、

失敗から学ぶことは
とても大切です。

でも、

「この声かけに変えたら
うまくいった」

「この方法にしたら
利用者さんが自分でできた」

「この工夫で
落ち着いて過ごせた」

そんな良い実践は、

その日のうちに
流れてしまうこともあります。

失敗には、

「なぜ起きたのか」

と考える時間がある。

それなら、

うまくいったことにも、

「なぜ、うまくいったのだろう」

と振り返る時間があっても
いいのではないでしょうか。

そこには、

自分では当たり前だと思っていた
工夫や判断が隠れているかもしれません。

そして、

誰かのうまくいった経験が、

別の職員のヒントになることもあります。

失敗だけではなく、
うまくいったことからも学ぶ。

そんな積み重ねが、

自分の変化を実感する
きっかけにもなるのだと思います。

「評価されていない」と感じるとき、本当に何も返ってきていないのか

真面目に仕事を続けていても、

「自分の頑張りは、
ちゃんと見てもらえているのかな」

と感じることがあります。

事故を起こさない。

利用者さんの変化に気づく。

周りと連携する。

後輩を支える。

そうしたことを続けていても、

大きな問題が起きなければ、

特別に評価されることなく
一日が過ぎていくこともあります。

そうした日が続けば、

「頑張っても何も変わらない」

「自分は評価されていない」

と感じることも
あるのかもしれません。

でも、

評価はいつも、

分かりやすい形で
返ってくるものなのでしょうか。

給料が上がること。

役職を任されること。

上司から
言葉をかけてもらうこと。

もちろん、

そうしたものは
分かりやすい評価です。

けれど、

「この人に任せよう」

と思ってもらえること。

後輩から
相談されること。

困ったときに
名前を呼ばれること。

利用者さんやご家族から
頼りにされること。

そんな日常の中にも、

これまで積み重ねてきたものへの
信頼が表れていることがあります。

もちろん、

「もっと言葉にして
伝えてほしい」

と思うこともあるでしょう。

できていることを、

周りがきちんと言葉にして
伝えることも大切です。

でも同時に、

自分に返ってきているものに
気づくことも、

モチベーションを保つうえでは
大切なのだと思います。

何も返ってきていないと
思っていたけれど、

よく見れば、

言葉だったり、

役割だったり、

誰かからの信頼だったり。

思っていたのとは違う形で、

自分の仕事が認められていることも
あるのかもしれません。

その信頼に気づくことが、
自分の積み重ねをもう一度感じる
きっかけになるのだと思います。

中堅になったあと、何を成長と呼ぶのか

中堅になると、

「新しくできるようになったこと」

だけで成長を測るのは
難しくなっていきます。

仕事を覚えることから、

その仕事を
どう行うかへ。

自分のことで精いっぱいだったところから、

周りを見ることへ。

そして、

自分だけでなく、

チーム全体を考えることへ。

少しずつ、

求められるものも
変わっていきます。

後輩への声のかけ方。

チームの中での動き方。

利用者さんの変化に
早く気づくこと。

自分の考えを持ちながらも、

周りの意見を聞いて
柔軟に動けること。

こうした力は、

「何か新しいことが
できるようになった」

という形では
表れにくいものです。

だからこそ、

中堅になってからは、

「何ができるようになったか」

だけではなく、

どんなふうに仕事に
向き合えるようになったか

を見ることも
大切なのだと思います。

自分の介護を振り返る。

周りの人を支える。

自分とは違う考え方にも
耳を傾ける。

そうした変化も、

中堅になってからの
大切な成長です。

そして、

次に何を目指すのかが
分からなくなったときには、

「どんな介護職でありたいか」

と考えてみる。

できる仕事を増やすだけではない、

その先の目標が
見えてくるかもしれません。

成長していないと決める前に、立ち止まっている理由を見る

「最近、成長していない」

そう見えるときほど、

本人のやる気や努力に
理由を求めたくなることがあります。

でも、

少し立ち止まって考えると、

本人だけではどうにもできないことも
あるのかもしれません。

振り返る機会が
少なくなっていないか。

うまくいったことを
共有できる場があるか。

できていることを
言葉にして伝えられているか。

次に何を目指すのかを
一緒に考える機会があるか。

そうしたものがなければ、

本人自身も、

何ができるようになったのか。

これから何を変えていけばいいのか。

分からなくなることがあります。

中堅職員だからといって、

自分で課題を見つけ、

自分だけの力で
成長し続けられるとは限りません。

誰かからの一言で、

自分の良さに気づくこともある。

誰かとの振り返りで、

次に取り組みたいことが
見つかることもある。

だから、

「この人は成長していない」

と決める前に、

なぜ今、
立ち止まっているように見えるのか。

そこを考えてみる。

そして、

「もっと頑張ってほしい」

だけではなく、

「何があれば、
もう一歩進めるだろう」

と考えてみる。

その問いの中に、

本人にも、

育てる側にも、

次の成長への糸口が
あるのかもしれません。

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