介護現場を変えるのは、新人職員の『なぜ?』かもしれない

「新人介護職の『なぜ?』をきっかけに介護現場を見直すことをテーマに、新人職員と先輩職員、高齢女性を描いたやさしい水彩イラスト」 介護の仕事

介護の仕事を始めたばかりの頃、

「どうして、こうするんだろう?」

「なぜ、この方法なんだろう?」

そんな疑問を感じたことは
ありませんか?

でも、周りの先輩たちが
当たり前のように行っていると、

「介護では、これが普通なんだ」

そう思って、

いつの間にか疑問を
口にしなくなってしまうことがあります。

そして経験を重ねるうちに、

今度は自分自身が、

その「当たり前」の中にいることもあります。

私も長く介護の仕事を続ける中で、
ふと、

「なぜ、私はこれを
当たり前だと思っているんだろう」

と立ち止まることがあります。

介護の技術を身につけることも、
仕事に慣れることも大切です。

でも、それと同じくらい、

「なぜ?」と疑問を持つことも、
大切なのではないでしょうか。

今回は、

新人職員だからこそ持てる
「なぜ?」について、

一緒に考えてみたいと思います。

介護の現場では「当たり前」が増えていく

介護の仕事を始めたばかりの頃は、

一つひとつの介助に
戸惑うことがあります。

「この声かけでいいのかな」

「どうして、この順番なんだろう」

「本当に、この方法が
この方に合っているのかな」

分からないことが多いからこそ、

いろいろなことに
疑問を持ちます。

けれど、

毎日同じような仕事を
繰り返していると、

少しずつその環境に
慣れていきます。

仕事の流れが分かり、

介助もスムーズに
できるようになる。

それは、

介護職として成長している
ということでもあります。

でもその一方で、

「いつもこうしているから」

「みんなこうしているから」

という理由だけで、

疑問を持たなくなってしまうこともあります。

以前なら「なぜ?」と思っていたことが、

いつの間にか
当たり前になっている。

私自身も、

長く介護の仕事を続ける中で、

そんな自分に
気づくことがあります。

慣れることは、

決して悪いことではありません。

ただ、

慣れることと、
考えなくなることは違う。

いつの間にか
当たり前になっていることの中に、

もう一度「なぜ?」と
考えてみたいことはないでしょうか。

どうして、このやり方なんだろう?

介護の現場には、

毎日の流れの中で、

いつの間にか
「当たり前」になっていることが
たくさんあります。

たとえば、

起床と就寝の時間です。

まだ眠っているのに、

朝食の時間だから
起きてもらう。

まだ眠くないのに、

職員の勤務や業務の都合に合わせて
寝てもらう。

施設で生活している以上、

ある程度決まった時間や流れが
必要なこともあります。

でも、そこで一度、

「どうして、みんな同じ時間なんだろう?」

と考えてみることも
大切なのではないでしょうか。

人には、それぞれ

長く続けてきた
生活の習慣があります。

朝早く起きる人もいれば、

ゆっくり起きる人もいる。

早く眠る人もいれば、

夜遅くまで起きていた人もいる。

それなのに、

いつの間にか
職員にとっての業務時間が、

利用者さんの生活時間に
なってしまうことがあります。

薬の飲ませ方も、

その一つかもしれません。

薬を口から出してしまう方に対して、

いつの間にか、

「この方は、
こうやって飲んでもらう」

と方法だけが決まり、

その理由について
考えなくなってしまうことがあります。

本当は、

「なぜ、薬を出してしまうんだろう」

「この方法でなければ
いけないのだろうか」

と考える余地があるはずです。

もちろん、

これまで行われてきた方法には、

それぞれ理由があることもあります。

だからこそ、

「昔からこうしているから」

「みんなこうしているから」

だけで終わらせず、

「なぜ、この方には
この方法なのか」

を考えることが
大切なのだと思います。

新人職員が何気なく口にした、

「どうしてですか?」

その一言が、

いつの間にか
当たり前になっていた介護を、

もう一度考えるきっかけに
なることもあるのではないでしょうか。

新人職員の「なぜ?」には価値がある

新人職員は、

まだ介護の現場に
慣れていません。

だからこそ、

私たちが当たり前だと思っていることに
疑問を持つことがあります。

「どうして、この時間なんですか?」

「なぜ、この方法なんですか?」

「ほかのやり方では
いけないんですか?」

こうした質問は、

一見すると、

ただ分からないことを
聞いているだけのように
見えるかもしれません。

でも私は、

その「なぜ?」には

もっと大きな価値があると
思っています。

介護の現場では、

長く続けている方法ほど、

「これが普通」

と思いやすくなります。

でも、

その方法が
今の利用者さんにも合っているのか。

本人は本当に
望んでいるのか。

もっと違う方法は
ないのか。

新人職員の素朴な疑問が、

私たちが考えることを
やめていた部分に、

もう一度光を当ててくれることがあります。

つまり、

新人職員の「なぜ?」は、

先輩職員を困らせるものではなく、

利用者さんにとって、
より良い介護を考える
きっかけになることがあるのです。

だからこそ私は、

新人職員には

疑問を飲み込まないでほしいと
思っています。

「こんなことを聞いたら
怒られるかな」

「新人なのに生意気だと
思われないかな」

そう感じることも
あるかもしれません。

でも、

疑問を持つことと、

今までの介護を
否定することは同じではありません。

「なぜだろう」と考えることは、

利用者さんのことを

もっと知ろうとすることでもあります。

そして同時に、

新人職員が安心して

「なぜ?」と言える職場であることも
大切だと思います。

先輩職員が、

「そういうものだから」

で終わらせてしまえば、

新人職員は少しずつ

疑問を口にしなくなります。

そしていつか、

その新人職員もまた、

現場の「当たり前」を
疑わなくなってしまうかもしれません。

だからこそ、

新人職員の「なぜ?」を
大切にすることは、

新人を育てることだけではなく、

私たち自身の介護を
見直し続けることにも
つながるのではないでしょうか。

「昔からこうしている」で終わらせない

介護の現場では、

「昔から、この方法だから」

という言葉を
聞くことがあります。

もちろん、

長く続いている方法には、

安全面やその方の状態など、

きちんとした理由が
ある場合もあります。

でも大切なのは、

「なぜ、この方法なのか」

を、自分の言葉で
説明できることではないでしょうか。

「前の人も、こうしていたから」

「みんな、この方法だから」

それだけでは、

本当にその方に合っている介護なのかを

考えることはできません。

利用者さんの状態は変わります。

気持ちや希望も変わります。

介護の方法や福祉用具なども、

少しずつ変わっていきます。

だからこそ、

今まで続けてきた方法が、

今もその方に合っているのか。

ときどき振り返ることが
必要なのだと思います。

そして私は、

自分の介護を素直に振り返れる人ほど、
まだまだ伸びていけるのではないか

と思っています。

新人職員から、

「どうして、この方法なんですか?」

と聞かれたとき、

すぐに答えられないことが
あってもいいと思います。

そんなときは、

「そういえば、どうしてだろう」

「もう一度、一緒に考えてみようか」

と言えることも、

大切なのではないでしょうか。

経験が長くなると、

自分のやり方に
自信を持つことも増えていきます。

でも、

「もっと良い方法が
あるかもしれない」

と考えられる余地まで

なくしてしまいたくはありません。

これまでの介護を
否定するのではなく、

一度振り返って、

必要であれば変えていく。

その繰り返しが、

より良い介護につながっていくのでは
ないでしょうか。

忘れてしまった「なぜ?」を、新人さんが思い出させてくれる

介護の仕事を長く続けていると、

新人の頃に感じていた
「なぜ?」を、

いつの間にか
忘れてしまうことがあります。

私自身も、

介護を始めたばかりの頃に

どんなことを疑問に感じていたのか、

今では思い出せないことが
たくさんあります。

だからこそ、

新人職員の素朴な「なぜ?」を
大切にしたいと思っています。

「どうして、この時間なんですか?」

「なぜ、この方法なんですか?」

そんな言葉を聞いたとき、

当たり前のこととして
受け流すのではなく、

「そういえば、なぜだろう」

と、自分の介護を振り返る。

新人職員の疑問は、

私たちが忘れてしまった視点を
思い出させてくれることがあります。

施設での生活には、

食事や入浴、起床、就寝など、

どうしても一定の流れがあります。

多くの方が一緒に暮らす場所ですから、

すべてを一人ひとりの希望通りにすることは
難しいこともあります。

それでも私は、

施設の都合に、その人を合わせることが
当たり前になっていないだろうか。

と考えていたいと思っています。

施設という限られた環境の中でも、

その方がこれまで

どんな生活をしてきたのか。

何を大切にしてきたのか。

何が好きで、

何を嫌だと感じるのか。

そうした一人ひとりの
「その人らしさ」を、

できるだけ大切にしたい。

長く介護をしているからこそ、

分かったつもりにならず、

「本当に、これでいいのかな」

と、ときどき自分に問いかける。

そして、

新人職員が投げかけてくれる

「なぜ?」にも耳を傾ける。

その疑問の中に、

利用者さんが
その人らしく暮らすためのヒントが、

隠れていることも
あるのではないでしょうか。

疑問から、介護は少しずつ変わっていく

介護の中で感じた、

小さな「なぜ?」。

それをそのままにせず、

「どうしてだろう」

と考えてみる。

そこから、

変化は始まるのだと思います。

理由を確認して、

自分なりに考えてみる。

必要であれば、

別の方法も考えてみる。

そして、

その方法が本当に
その方に合っていたのか、

もう一度振り返ってみる。

すぐに答えが
出ないこともあります。

考えた結果、

今までの方法が
一番良いと分かることもあります。

それでも、

「なぜ?」と考えたことには、
意味があると思います。

新人職員だからこそ、
気づけることがある。

経験を重ねているからこそ、
振り返れることもある。

それぞれの視点を持ち寄ることで、

介護は少しずつ、

良い方向へ変わっていくのでは
ないでしょうか。

誰かが口にした、

「どうしてですか?」

その一言を、

「そういうものだから」

で終わらせず、

一緒に考えてみる。

そこから、

今まで気づかなかったことが
見えてくるかもしれません。

介護現場を変えるのは、

何か特別なことだけではなく、

新人職員が何気なく口にした、

一つの「なぜ?」なのかもしれません。

そして私自身も、

これから先も
「なぜ?」と考えることを忘れずに、

その方にとっての
より良い介護を、

考え続けていきたいと思います。

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