虐待防止研修②|気づきを伝え、チームでケアを見直す【15分研修】

虐待防止研修第2回「気づきを伝え、チームで対応」。気になるケアについて相談する介護職員たちのイラスト。入所施設向け15分研修・無料研修資料付き。 介護の仕事

「今の声かけ、少し気になった」
「この対応を続けていてよいのだろうか」

日々のケアの中で、
立ち止まって考える場面はありませんか。

気づいたことがあっても、
一緒に働く仲間との関係や忙しさを考えて、
伝え方に迷うことがあります。

相談を受ける側も、
限られた人員や時間の中で、
どう対応すればよいか悩むことがあると思います。

気づきを伝えられること。
伝えられた気づきを受け止め、
必要な対応につなげられること。

その両方が、利用者さんの安心と尊厳を守る
職場づくりにつながります。

この研修は、
特養などの入所施設で働く職員を対象とした、
約15分の施設内研修
です。

第1回では、虐待と不適切ケアの基本を学び、
利用者さんの立場から、
日々の声かけや介助を振り返りました。

第2回では、その気づきを
チームでの対応や改善につなげる方法を、
一つの架空事例から考えます。

見聞きした事実をどう伝えるか。
相談を受けたとき、何を確認するか。
現場だけでは解決できない課題を、
施設としてどう受け止めるか。

相談・報告・通報の基本を押さえながら、
伝える側と受け止める側、
それぞれの行動を整理します。

新人から経験のある職員、
リーダーや管理者まで、
一緒に考えられる内容です。

利用者さんに必要なケアを届けるために、
自分たちの対応と、職場の仕組みを見直す。

短い時間の中で気づきを共有し、
自分の現場で見直すことを
一つ見つけていきましょう。

  1. 資料の案内・ダウンロードボタン
  2. この研修の目的・基本
    1. この研修で目指すこと
    2. 基本① 気づきは、具体的な事実から伝える
    3. 基本② 相談を受けたら、安全と事実を確認する
    4. 基本③ 施設内の共有と、必要な通報を理解する
  3. 事例の紹介
    1. 事例|「気になることがあるのですが」
  4. 考えてみましょう|目安3分
    1. ① Cさんの立場なら、何を伝えますか?
    2. ② Dさんの立場なら、どう受け止めますか?
    3. ③ 相談を受けた後、どう対応につなげますか?
  5. 事例の解説・実践ポイント
    1. 1.伝える側と受ける側で、事実を整理する
    2. 2.相談を受けたら、まず現在の安全を確認する
    3. 3.Bさんの状況を聞き、対応も見直す
    4. 4.今の対応と、継続して見直す課題を分ける
    5. 5.相談した後の見通しを伝える
  6. 振り返り|伝え方・受け止め方を一つ見直す
    1. 書いてみましょう|目安2分
  7. 研修担当者の方へ|進め方と研修後の活用
    1. 1.研修前に準備すること
    2. 2.15分で進めるための時間配分
    3. 3.伝える側・受ける側の両方を考えてもらう
    4. 4.現場の難しさを、具体的な課題にする
    5. 5.実際の相談が出た場合の対応
    6. 6.報道事例や自施設の課題に差し替える場合
    7. 7.振り返りを、職場の改善につなげる
    8. 8.研修の記録を残す
  8. 参考資料・出典
    1. 厚生労働省|高齢者虐待への対応に関する国マニュアル
    2. 高齢者虐待防止法

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スライド、受講者用資料、担当者用の進行資料、記録表をまとめました。印刷用PDFと、施設に合わせて編集できるファイルが入っています。

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この研修の目的・基本

この研修では、
ケアの中で気づいたことを伝え、
チームで必要な対応につなげる方法を学びます。

伝える側だけでなく、
相談を受ける側の行動も考えます。

利用者さんの安全を守り、
気づいた職員が一人で抱え込まない。
そのための動き方を確認しましょう。

この研修で目指すこと

  • 見聞きした事実と、自分の考えを分けて伝えられる
  • 相談を受けたとき、安全の確認と事実の整理につなげられる
  • 個人で対応することと、施設で改善することを分けて考えられる

基本① 気づきは、具体的な事実から伝える

「あの職員の対応はひどい」
という評価だけでは、
何が起きたのか分かりません。

「いつ、どこで、どのような言動があり、
利用者さんがどうしていたか」を伝えます。

そのうえで、
「訴えにくくなっていないか心配です」
など、自分が気になった点を添えましょう。

すべての情報がそろっていなくても、
相談して構いません。
今も危険や困りごとが続いている場合は、
その状況を先に伝えます。

基本② 相談を受けたら、安全と事実を確認する

相談を受けたときは、
まず話を聞き、
利用者さんに今、必要な対応がないか確認します。

「忙しかったから」
「あの人がそんなことをするはずがない」
という印象だけで、話を終わらせないようにします。

一方で、相談内容だけから、
関係する職員の意図や責任を決めつけず、
確認できている事実と、不明な点を整理します。

相談した職員に調査や解決を丸投げせず、
誰が何を確認し、対応するかを明確にします。

基本③ 施設内の共有と、必要な通報を理解する

相談・報告・通報には、
それぞれ次の役割があります。

行動主な役割
相談気になることや判断に迷うことを伝え、対応を考える
報告起きた事実や現在の状況を伝え、組織として対応する
通報虐待が疑われる状況を市町村へ知らせ、行政の対応につなげる

これは、順番に済ませる手続きではありません。

勤務先の職員による虐待を受けたと思われる
高齢者を発見した場合は、
緊急性の有無にかかわらず、
速やかに市町村へ通報する義務があります。

施設内の報告だけで終わらせず、
虐待の確定や、施設の許可を待たずに対応します。

そのうえで、施設としても、
安全確保やケアの見直しを進めます。

気づきを受け止め、
必要な対応につなげ、
同じことを繰り返さない仕組みを考える。

この基本を踏まえて、
次の事例を考えていきましょう。

事例の紹介

次の事例では、
気になる対応を見聞きした職員が、
リーダーに相談する場面を考えます。

※研修用の架空事例です。
実在の人物・施設とは関係ありません。

事例|「気になることがあるのですが」

ある入所施設で、夕食前の出来事です。

認知症のあるAさんは、
トイレへの移動に付き添いが必要です。

Aさんが「トイレに行きたい」と伝えると、
配膳準備をしていたBさんは、
「さっき行ったばかりですよ。
座って待っていてください」と答えました。

数分後、Aさんが再び声をかけると、
Bさんは周囲にも聞こえる強い口調で、
「何回も同じことを言わないで」
と言いました。

Aさんはうつむき、
それ以上、何も言わなくなりました。

近くにいたCさんは、
別の利用者さんの移乗介助中で、
その場を離れられませんでした。
すぐに応援に入れる職員もいません。

介助を終えたCさんは、
Aさんに声をかけ、トイレへ付き添いました。

その際、Aさんは小さな声で、
「何度も頼んで、ごめんなさいね」
と話しました。

Cさんは、Aさんが今後、
必要なことを頼みにくくならないか、
気になりました。

Bさんとは今後も一緒に働きます。
忙しい時間帯だったことも分かります。
それでも、このままにしてよいのか迷い、
リーダーのDさんに声をかけました。

「Bさんの対応で、
気になることがあるのですが……。
Aさんが、トイレを頼んだことを
謝っていたんです」

Dさんは、ちょうど勤務の調整をしていました。
夕食前に介助が集中し、
職員が対応に追われていることも知っています。

ただ、Dさん自身は、
その場面を見ていません。

Cさんは、何を伝えるとよいでしょうか。
Dさんは、この相談をどう受け止め、
必要な対応につなげるとよいでしょうか。

考えてみましょう|目安3分

まずは、1分間で自分の考えを整理しましょう。
その後、2分間で近くの人と気づきを共有してください。

個人で受講する場合は、
3分間で考えたことを書き出します。

① Cさんの立場なら、何を伝えますか?

Dさんは、その場面を見ていません。
状況が伝わるように、
Bさんの言葉、Aさんの様子、
自分が行った対応を整理してみましょう。

見聞きした事実と、
自分が心配していることを、
どのように分けて伝えますか?

② Dさんの立場なら、どう受け止めますか?

自分も仕事に追われているとき、
Cさんから相談を受けたら、
最初にどのような言葉を返しますか?

また、Aさんの現在の状態や、
まだ分かっていないことについて、
何を確認する必要があるでしょうか。

最初の一言と、
優先して確認することを一つずつ考えましょう。

③ 相談を受けた後、どう対応につなげますか?

Aさんへの支援、
Bさんへの事実確認、
夕食前の業務の重なりなど、
取り組む必要があることを考えます。

今すぐ対応することと、
施設として改善を検討することを、
どのように分けますか?

CさんやDさんだけで抱え込まず、
誰と共有し、協力するかにも目を向けましょう。

すべての答えをまとめる必要はありません。
自分も迷いそうな点や、
現場で難しいと感じることを持ち寄り、
次の解説で確認していきましょう。

事例の解説・実践ポイント

Cさんは、気になる対応を見聞きし、
迷いながらもDさんに相談しました。

Dさんも業務を抱えています。
すべてをその場で解決するのは難しくても、
相談を受け止め、安全を確認し、
必要な対応を分担すること
が出発点になります。

1.伝える側と受ける側で、事実を整理する

Cさんの「Aさんが謝っていた」という話だけでは、
その前に何が起きたのか分かりません。

例えば、次のように伝えると、
状況を把握しやすくなります。

「夕食前、食堂でAさんがトイレを希望した際、
Bさんが『何回も同じことを言わないで』と、
周囲にも聞こえる声で言っていました。

Aさんはうつむいて、話さなくなりました。
その後、私が付き添ったときに、
『何度も頼んで、ごめんなさいね』と話しました。
今後、頼みにくくならないか心配です」

最後の「心配です」は、Cさんの考えです。
Aさん自身の言葉と分けて伝えます。

実践ポイント

☐ 実際の言葉・行動と、自分の考えを分ける。

Cさんがうまく説明できなくても、
Dさんが「いつのことですか」
「その後はどうでしたか」と尋ね、
一緒に整理して構いません。

2.相談を受けたら、まず現在の安全を確認する

Dさんの最初の返し方は、
Cさんが続きを話せるかどうかに関わります。

「話してくれてありがとう。
Aさんは今、どのような様子ですか」

まずは相談を受け止め、
必要な介助や確認が残っていないかを確かめます。

トイレへの付き添いが済んでいても、
不安や身体の不調が解消したとは限りません。
本人の言葉や様子を確認する必要があります。

実践ポイント

☐ 「聞いた」で終わらせず、今必要な対応を確認する。

詳しい話を聞く時間が取れない場合も、
安全に関わる情報はその場で確認します。
自分が対応できなければ、
管理者や他の担当者につなぎ、
誰が引き受けるかを明確にします。

3.Bさんの状況を聞き、対応も見直す

Dさんは、その場面を見ていません。
Cさんの話を受け止めたうえで、
Bさんにも個別に状況を確認します。

「夕食前のAさんへの対応について確認したいです。
そのとき、どのような状況でしたか」

最初から意図や責任を決めつけず、
何が起き、なぜ対応が難しかったのかを聞きます。

ただし、忙しさが分かっても、
Aさんへの影響がなくなるわけではありません。

本人の訴えをどう確認すべきだったか、
強い口調を避けるために何が必要だったかを、
具体的に考えます。

実践ポイント

☐ 職員の事情を聞くことと、利用者さんへの影響を確認することを両立する。

この確認を、Cさん一人に任せたり、
CさんとBさんだけの話し合いで
解決するよう求めたりしないことも大切です。

4.今の対応と、継続して見直す課題を分ける

今回の事例では、
次の二つを並行して進めます。

今、対応すること施設として継続して見直すこと
Aさんの状態と必要な支援を確認する夕食前に集中する業務を整理する
見聞きした事実と対応を記録・共有する配膳と排泄介助の役割分担を見直す
虐待が疑われる場合は、基本で確認した通報につなげる応援が来られない場合の対応方法を決める

施設内での事実確認や改善の検討が、
必要な通報を遅らせることのないようにします。

人員や業務の課題は、
Dさんだけでは変えられない場合もあります。
管理者などへ具体的な状況を伝え、
検討する担当者と確認日を決めます。

実践ポイント

☐ 気づいた職員やリーダーだけに、解決を背負わせない。

5.相談した後の見通しを伝える

Cさんが相談後の状況を何も知らされなければ、
「伝えてよかったのだろうか」
という不安が残るかもしれません。

Dさんは、共有できる範囲で、
次に行うことを伝えます。

「Aさんの様子を確認し、
管理者にも共有します。
夕食前の役割分担も検討し、
変更が決まったら伝えます」

関係する職員の個人情報など、
すべてを伝えられるわけではありません。
それでも、相談を受け止め、
対応を進めていることは伝えられます。

実践ポイント

☐ 何を、誰が行うかを明確にし、必要な情報を現場に返す。

気づきを言葉にする人と、
その気づきを受け止める人。
どちらも、一人で抱え込まない。

相談を具体的な対応と改善につなげることを、
職場全体で大切にしていきましょう。

振り返り|伝え方・受け止め方を一つ見直す

今回の研修では、
気づきを伝える側と、相談を受ける側の
両方の行動を考えました。

忙しいときや、相手との関係が気になるとき、
思うように話せないこともあります。

自分が実践できることと、
職場で確認したいことを整理しましょう。

書いてみましょう|目安2分

① 伝える側・受け止める側として、
見直したい行動を一つ

自分の立場に合わせて、
どの場面で、何をするかを書いてください。

例えば、次のような行動です。

  • 伝えるときは、実際に聞いた言葉と、自分の心配を分ける
  • 相談を受けたら、まず利用者さんの現在の状態を確認する
  • 自分だけで対応できないときは、誰につなぐかを明確にする

私が見直す行動:

________________

________________

② 相談を対応につなげるために、
職場で確認したいことを一つ

相談先が不在のときや、
相談した後の対応が分からないときなど、
自分が迷いそうな場面を考えてください。

すぐに改善案が浮かばなくても構いません。
「何が分からないか」を言葉にしてみましょう。

職場で確認したいこと:

________________

________________

上手に話せなくても、気づきを伝えられる。
受け取った側が、一緒に整理して対応につなげる。

その積み重ねで、
利用者さんの安心を支える職場を
つくっていきましょう。


基本を振り返りたい方へ
「これは虐待に当たるのだろうか」
「不適切ケアとの違いが分からない」
そんなときは、第1回に戻って、
虐待と不適切ケアの基本を確認できます。

虐待防止研修①|虐待と不適切ケアの基本を振り返る


研修担当者の方へ|進め方と研修後の活用

ここからは、研修を準備・進行する方への補足です。

この部分は、15分の研修本編には含めません。
受講者用の配布資料とは分けてご活用ください。

第2回では、
気づいた職員が伝えることと、
相談を受けた側が対応につなげることを、
両方の立場から考えます。

担当者自身も、参加者と一緒に、
自施設で実践できる方法を探していきましょう。

1.研修前に準備すること

  • 受講者用の資料と筆記用具
  • 時計やタイマー
  • 自施設の虐待防止指針と対応手順
  • 施設内の相談・報告先と、不在時の連絡先
  • 市町村の高齢者虐待に関する通報窓口
  • 研修の参加状況と実施内容を残す記録様式

窓口は名前だけでなく、
電話番号や連絡方法まで確認しておきます。

今回の事例は、
第1回と同じ場面を含んでいますが、
相談する場面まで記事内で説明しています。
第2回から受講する職員にも、
事例を読んでから考えてもらいましょう。

2.15分で進めるための時間配分

記事冒頭の導入文は読み上げず、
「この研修の目的・基本」から始めます。

内容時間の目安
この研修の目的・基本3分
事例の紹介2分
個人・グループで考える3分
事例の解説・実践ポイント5分
振り返りの記入2分
合計15分

「考えてみましょう」は、
個人で考える時間を1分、
近くの人との共有を2分とします。
個人受講の場合は、3分間で書き出します。

全員の発表や、
施設の改善策を決定する話し合いは、
この15分には含めません。

事前に読み上げ時間を確認し、
当日は長い体験談や追加の議論を、
研修後の検討事項として受け止めます。

3.伝える側・受ける側の両方を考えてもらう

経験や役職によって、
CさんとDさんのどちらに自分を重ねるかは、
異なるかもしれません。

普段は相談する立場の職員にも、
相談を受ける側を考えてもらいます。
リーダーや管理者にも、
迷いながら伝える側の気持ちを
振り返ってもらいましょう。

問いかけには、次の言葉が使えます。

  • 「Cさんが話し続けやすくなる、最初の一言は何でしょうか」
  • 「Dさんが今すぐ確認する必要があることは何でしょうか」
  • 「Dさんだけでは対応できない場合、誰と分担できるでしょうか」

模範的な言葉を上手に言えることより、
利用者さんの安全確認と、
具体的な対応につながっているか
を確認します。

4.現場の難しさを、具体的な課題にする

「忙しくて話を聞けない」
「相談すると、人間関係が悪くなりそう」

こうした意見が出たときは、
すぐに否定せず、
どのような状況で難しくなるのかを聞きます。

例えば、
「リーダーも介助に入っていて、
相談を受けられる人がいない」のであれば、
不在時の連絡先や、役割分担の課題として整理します。

ただし、忙しさを理由に、
利用者さんの安全に関わる確認を
後回しにしてよいという話にはしません。

今必要な対応と、
継続して改善する課題を分けること
が、
話し合いのポイントです。

また、過去に相談できなかった職員や、
十分に受け止められなかった職員を
責める場にしないよう配慮します。

5.実際の相談が出た場合の対応

研修中に、
現在起きている気になる対応について、
職員が話し始めることもあります。

その場合は、全員の前で
個人名や詳しい事情を話させ続けず、
個別に相談を受ける場へつなげます。

ただし、利用者さんが今危険な状態にあるなど、
直ちに対応が必要な場合は、
研修の終了を待たずに安全確保を優先します。

相談内容を必要な範囲で共有し、
本編で確認した報告・通報の基本に沿って対応します。
「研修で意見が出た」という記録だけで
終わらせないようにしてください。

6.報道事例や自施設の課題に差し替える場合

今回の架空事例は、
最近の報道事例や、
自施設で見直したい場面に差し替えられます。

第2回では、次の点を考えられる事例を選びます。

  • 気づいた職員が、何を伝えるか
  • 相談を受けた側が、何を確認するか
  • 誰と協力し、必要な対応につなげるか

報道事例は、出典と公表日を明記し、
確認された事実と不明な点を分けます。
報道にない会話や対応を、
実際にあったこととして付け加えないでください。

自施設の課題は、
利用者さんや職員が特定されないように整理します。
特定の人を批判するためではなく、
対応や連携の改善を考える題材にします。

事例を変えた際は、
問い・解説・実践ポイントも見直します。

紹介する場面を絞り、
15分の進行に収まるか確認してください。

7.振り返りを、職場の改善につなげる

振り返りで挙がった
「職場で確認したいこと」を取りまとめ、
管理者や関係する担当者と共有します。

特に、次のような不明点は、
研修後に確認して職員へ返答しましょう。

挙がった課題研修後に確認すること
相談先が不在だと、誰に伝えるか分からない代わりの連絡先と連絡方法
相談後、どう対応されたか分からない共有できる範囲と、返答する担当者
リーダーだけでは調整できない管理者などへつなぐ方法と役割分担

課題ごとに、
誰が確認し、いつ返答するかを決めます。
すぐに解決できない場合も、
検討状況と当面の対応を伝えてください。

8.研修の記録を残す

次の内容を記録します。

  • 開催日時・担当者・参加者
  • 使用した資料と事例
  • 話し合いで出た気づきや課題
  • 研修後に確認・検討すること
  • 担当者・確認日・現場への返答内容
  • 欠席者への後日実施状況

個別の虐待相談に関する詳細は、
一般の研修記録と分け、
施設のルールに沿って適切に管理します。

気づきを伝える職員と、
相談を受け止める職員の両方を支える。

そのために、研修で出た声を、
実際の連絡体制やケアの改善につなげていきましょう。

失礼しました。第2回にも、記事の最後に次の「参考資料・出典」を追加してください。

参考資料・出典

本記事の虐待への対応、記録、通報に関する説明は、
以下の資料を参照しています。

架空事例、設問、伝え方の例、時間配分は、
施設内研修での活用を目的に独自に作成したものです。

厚生労働省|高齢者虐待への対応に関する国マニュアル

「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(令和8年3月改訂)

主に、次の内容を参照しています。

  • 第Ⅰ章「高齢者虐待防止の基本」:安全を優先する考え方、事実の記録、組織的な対応
  • 第Ⅲ章「養介護施設従事者等による虐待への対応」:相談・通報への対応、事実確認、改善に向けた取り組み

高齢者虐待防止法

「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(e-Gov法令検索)

主に、次の条文を参照しています。

  • 第20条:施設・事業者による虐待防止の措置
  • 第21条:施設従事者等による虐待に係る通報義務、通報した職員の保護
  • 第23条:通報者を特定させる情報についての、市町村・都道府県職員の守秘義務

施設内の対応手順を確認する際は、
これらの資料と、自治体が公表する案内も
併せてご確認ください。

資料確認日:2026年9月24日

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